ステイトメント

「日本梅星物語」 -にぽんうめぼしものがたり-
今回の展示は、梅の花や、桃の節句、桜などを日本の昔話を思い出すような事をテーマに、自分なりに日本らしさをアレンジして描いています。 展示のタイトルは、にっぽん昔話からきてます。にっぽん昔話とは、子供の頃に親しんだ“むかーしむかしあるところに~”で、お馴染みのアニメの事ですが、日本という地に生まれた誰もがベースにあると思うのです。むかーしむかしから始まる日本の四季、風土、年中行事、それからおにぎりや日本茶やおまんじゅう。(特に自分は深蒸し茶が大好き、和菓子も大好きです)目まぐるしい現代を生きる私達はどこかそれを遠い昔話のように扱ってしまうのですが、心の中で無意識の向こうの向こうにその意識はあって、私はそのエネルギーを源に作品作りをしています。最近知ったのですが、日本の行事は旧暦を元に行われていたので今の季節とは少し時期が違うという事でした!何となく昔話として見過ごして来てしまいました。 旧暦に当てはめて年中行事をみてゆくと、その季節に忠実に添って行われた何とも風情ある美しいもでした。今回展示に制作した、桃の節句をイメージした作品があるのですが、本来の旧暦の時期にあわせると、桃の花が満開の時期に雛祭りは行われていたという事でした。端午の節句に関してはちょうど今の梅雨の時期、あの鯉のぼりは梅雨の水の中を泳ぐイメージだったのだそう。七夕は今の8月、毎年くっきり星空がみえたそう。昔の人は自然をじっくり観察して受け入れてそれになぞってこんなにも美しいお祝い事を考えていたのだと知りました。時間は流れて気づくと現代の生活はデジタルとかプラスチックのものが沢山あったりどこか冷めていて大切なものが忘れられがちな気がします。この展示を考えて制作してく過程で自分自身も大事な事を思い出したり再確認できたりしました。 とても良かったです。“しだれ桜”というタイトルの作品は毎年同じタイトルで、同じ桜をテーマに描いているのですが、それは自分にとって大切な意味があり、繰返し訪れる季節のように自分の画家としての人生が続くよう願いを込めて描いています。にっぽん昔話にあるような、”にぽん魂”を毎年欠かさず思い出す行事でもあるんだと思います。 今回の作品達は、厳しい冬から春先にかけて1番ドラマチックな季節を追っかけて描いたものです。 楽しんでみていただけたら幸いです。


長井朋子 展「日本梅星物語」

ーにぽんうめぼしものがたりー
2017年3月5日(日)―5月7日(日)

Gallery&Cafe

HANASAKAN Café Sweets


Reception


長井 朋子 Tomoko Nagai

1982愛知生まれ
2006愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業