ステイトメント

私は小さな頃から、絵を描く時間を何よりも楽しんでいた。なぜ、こんなにも絵を描くことが好きなのかは分からないが、いつも、その時に欲しいものを描いてきたようだ。 その対象は、大きなものから、小さなものまで様々だ。 例えば、街角で目に留まった生活用品の配色、雑誌でみる服の柄、旅先の風景、テレビでみる風景、本でみる動物や食べ物など、尽きることはない。 それらは絵をつくり上げるための素材に過ぎないが、それらを手がかりにして、本当に見たいものへ近づこうとしている。
 絵が描きたいから外をみるのか、外を見ていると絵を描きたくなるのか決められないが、絵を描く行為というのは、外から借りたイメージを絵にして返すことで、自分の感情なり、考えを清算しているようだ。 それでも毎回きっちりと返すことはできず、いつまでも同じことを繰り返す。
 空を見て感動するとき、同時にただ見ていることしかできないことがもどかしい。 私にできることは、絵を描いて発散し、そして理解しようと努めることだ。この先、私が一番欲しいものといえば、まだ見たことのない絵だ。 いつも、目の前を何となく漂うが、つかみきれずにいる。 ただ私はそれを目指して日々描くだけだ。     


増田佳江 展
2010年1月17日(日)―3月14日(日)

Gallery

HANASAKAN Café Sweets


Reception


増田 佳江 Kae Masuda

1978京都生まれ
2002京都市立芸術大学美術科卒業
2004京都市立芸術大学大学院美術科絵画専攻修了(京都市立芸術大学展京都市長賞受賞)