ステイトメント

ケージとカナリア
鳥かご(ケージ)に入った小鳥(カナリア)。絵画の基本的な成りたちを鳥かごにたとえ、その中に表される形象を小鳥にたとえた。ケージは絵画の枠組みや領域を象徴し、カナリアはそこに表されるものの内容を総称している。 ケージとカナリアはいつもお互い関係して寄り添っている。ドローイングを重ねるうちこの基本的な仕組みの持つ率直な力を感じた。今回はそれらのドローイングをもとに木版画を制作した。素朴で身近な木版だが、一瞬の筆の動きを人間の身体で時間をかけて版に彫り起こすその行為には、ここのところの膨大で迅速な情報化の動きに比して逆説的な面白さを感じている。


Print Works 赤塚祐二 展「ケージとカナリア」
2014年7月4日(金)―8月31日(日)

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赤塚 祐二 Yuji Akatsuka

1955鹿児島生まれ
1979東京藝術大学美術学部油画専攻卒業
1981東京藝術大学大学院修士課程修了