ステイトメント

私の作品は、日常のありふれたモチーフのなかに、私が感じる(親しみと同時に存在する)違和感*を制作の動機としています。
 例えば、花の絵画シリーズは、生花の美しさではなく、造花の不気味さに触発されたもの、蛍光灯を多用したシャンデリア・シリーズは、戦後の日本で独自に普及した蛍光灯(文化)**へのオマージュと批判が混然一体なった作品です。
ただ、私は“違和感”をそのままに見せたいのではありません。
むしろ、制作/作品を通して、この“違和感”をバネに、それを払拭するような、美しさ・痛快さ、ユーモアなどの表現こそを目指しています。

*フロイトは、これを“不気味なもの”と説明しています。
ジグムント・フロイト『不気味なもの』(1919年)

**特に、サークル型の蛍光ランプは、日本の家庭で、他国には見られない普及をしています。

明るい照明への日本人の偏愛ぶりは、谷崎潤一郎の『陰影礼讃』(昭和8年1933年)にも言及があります。同エッセーに、昭和初期の東京、大阪はヨーロッパの大都市と比較しても格段に明るく照明されていた、という記述があり大変興味深いです。   (当時は、蛍光灯ではなく、白熱灯ですが。)


東恩納裕一 展「Fluorescent」
2007年11月18日(日)―12月25日(火)

Gallery

HANASAKAN Café Sweets


Reception


東恩納 裕一 Yuichi Higashionna

東京生まれ